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家庭での日常の会話は学習意欲をつくる貴重な機会

ベストの教室には以下の言葉一覧が掲示されている教室があります。子供が嫌いな親などいませんが、毎日の忙しい生活のなかで、ついつい子どもにマイナスの言葉を投げつけてしまいます。あとで反省することも多いのですが、思わず言ってしまいますね。  「早くしなさい」「いい加減にしなさい」「何やってるの」などなど。しかし、当たり前ですが、子どもたちもこうした言葉では元気も意欲も出ません。親子関係や親子間のコミュニケーションは学習意欲と学力向上に密接な結びつきがあることが分かっています。日常何気なく声をかけ、話をしていますが、そこで意識せず言っている言葉のひとつひとつが実は学習意欲を大きく左右しているのです。ご家庭においてもこうした事情も配慮してプラスの言葉かけをもっと出来るとよいですね。  ベストでは「ストローク」という言葉を使用します。心理学の概念で、人間が元気と勇気を出すことが出来る言葉と動作のことです。挨拶する、激励する、慰める、同情する、共感する際に発する言葉がそれです。また、手を振る、にっこりする、などの動作もストロークです。逆に文句を言ったり、無視したりすることはディスカウントです。わたしたちはストロークの多い授業やストローク溢れる教室を目指して頑張っています。ここでは子どもにかけるストロークとなるプラスの言葉をご紹介します。

【意欲を高めるために】

  「やってみることが大事、誰でも失敗はある、まずは行動だよ」   「一生懸命に頑張ったから、きっとうまくいくよ」   「そういう考えが大事だよ、今の気持ちを大事にしたらいいんだ」   「出来るよ、出来る、かならず出来る」   「ホントありがとう、助かるわ-」   「(おとうさん、おかあさん、お兄さん、お姉さん、)も凄く喜んでいたよ」

【自分に自信を持たせるために】

  「すご-い、これはすごいんじゃない」   「なかなかやるねぇ、すばらしい」   「~なら必ず出来るよ」   「頑張った教科は得点が上がったね、努力すれば必ず成果はあがるんだね」   「優しくって気が利くんだ、ありがとう」   「大丈夫、やるべきことをキチンとやっていることは分かっていますよ。」

【自分を大事に思う気持ちを強めるために】

  「ホントは頑張ることが出来る子なんだ、あなたを信じています」   「やったね、そういうとこお母さんすごく好きだよ」   「どんなことがあっても、家族はあなたの味方だよ」   「元気でいるだけでうれしいけど、これで勉強頑張ったら10倍うれしい」   「そう考えたんだね、あなたの考えは正しいと思う」 進学塾ベスト自修館広報誌「じゅくであ」より

以前にこんな記事(言の文)を書きました。今回はその好例を。 今月からパズル道場に通い始めた私立に通う小2の女の子。彼女が発する言葉に私はいつも感心します。問題を解く時、世間話をしている時、「好き!」、「やってみたい!」、「面白いね!」、「得意!」、「楽しい!」などといったポジティブワードが本当に多いからです。「やだ!」、「無理!」、「面倒臭い」などのネガティブワードを彼女の口から一度たりとも聞いたことがありません。確かにパズル道場は電子黒板やタブレットを使用し、ゲーミフィケーションを重視していますから通常の授業では味わえない新鮮味があります。しかし、昇級すればするほど越えられない壁が出てきますので、楽しいだけとは一概に言えません。それでも弱音を吐かず、諦めず、ポジティブワードを連発しているところに彼女の凄みがあります。

魔法の言葉は魔法の鎖を発動する

子供には(大人もですね)感情のはけ口が必要ですから、ネガティブワードの1つや2つは出てきて然るべきだと思います。どこかで発散させてあげなければ、途中で糸が切れてしまったり、感情表現が苦手な人になり兼ねません。従いまして、そんなワードが出たくらいでいちいち目くじらを立てず、いなすくらいの業は心得ていなければなりません。しかし、心から楽しみ、好きでやっているとしたらどうでしょうか。ネガティブな発想がそもそも生まれてこないわけです。忍耐強く、好奇心旺盛でポジティブ。彼女にぴったりの言葉です。これが学力に及ぼす効果は計り知れません。 このような人は周りにも好影響を与えます。一緒にやっている生徒さんたちは、その空気に飲まれて一層の頑張りを見せるようになっていきます。指導している我々も例外ではありません。指導に熱が入りますし、何より指導していて気持ちが良いです。これぞ正にPositive Chain(正の連鎖)です。このpositive chainは、魔法の言葉(ポジティブワード)を唱えることで発動する魔法の連鎖です。知ってか知らずか、彼女は大変優秀な白魔法使いです(負の連鎖を発動するのは黒魔法使い)。きっと彼女の周りには多くの人々が集まり、彼女から勇気や元気をもらっていることでしょう。私たちは教育研修や読書を通して白魔法を日々研鑽しています。しかしこれは認知的な魔法の使い方の探求であり、彼女のように情緒的に魔法を使う天才には到底敵いません。 小2といいますと、発達心理学では社会性を意識し始める時期と位置付けられています。発達段階ごとの特徴は「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」(外部リンク)が参考になるかもしれません。自我が明確に形成されているとはまだいえませんから、何に関しても保護者が導線を引いてあげることになります。そこで上手に導いてあげない限り、このようなポジティブワードばかりを発する習慣は身につかないでしょう。生徒さん本人からだけでなく、ご家庭の教育方針からも学ぶところは多いです。教室中に魔法の連鎖を広げられるよう、白魔法をたくさん勉強させていただこうと思います。 谷戸校(田無、ひばりが丘)より

更新日:2021年12月21日

多様性は英語でdiversity (ダイバーシティ)と訳します。少し前に小池百合子都知事が3つのシティとして、スマートシティ、セーフシティと共に掲げていることでも話題になった言葉ですね。小池都知事はキャッチーな言葉を使うのがお上手だなとつくづく感心します。西東京市にある谷戸校の塾生は首長の方針に違わず、様々なニーズやバックグラウンドをお持ちの方が多いです。実は清瀬校にいた頃にはあまり感じたことのない感覚です。これには東京都下で5番目に多い人口を誇る西東京市の立地や市民性が関係しているのかもしれません。偏差値70越えの学業優秀な生徒さんがいる一方、中3まで殆ど勉強をしてこなかったような生徒さんが助けを求めて入塾してきたりします。帰国子女もいれば、スカウトされて芸能活動をしている人もいれば、とある分野で世界一を獲った生徒さんも。我々が入塾生を選別することは致しませんので、自然とこのような多様性が生まれてきたわけです。

多様性を認めること

このような多様化はそれを認める風土が無ければ育まれません。一部の大人たちはいとも簡単に子供たちの様々な可能性を摘み、自らの一義的な価値観を正として強要しようとします。このような大人に育てられた子供たちが大人になると、同様の価値観、一義的な見方でしか物を見ることができなくなることは容易に想像できます。このロジックでいえば、この「一部の大人たち」自身もそのような教育を強要されてきた憐れな被害者であり、ここに負の連鎖が生じます。最近でいえば、このハゲー!!の元国会議員。学業面では優秀であったようですから、多様性の意味を頭では理解していたでしょう。しかし、心では理解しておらず、周りにそれを嗜める大人もいなかった。そのため、人の多様性を認めることに難があり、結果的には周りに自分の価値観を認めてもらえなくなった。これは至極当然の因果であったわけですが、何だか悲しい末路です。残念なことに塾や学校関係者にも、この負の連鎖を律儀に守る方々が存続していることを漏れ聞きます。この多様性。国語の論説文や都立自校作成校の推薦入試では、生物多様性や比較文化論として頻出テーマです。それにも関わらず、それを解説する立場の御仁が理解できていない(実践できていない)となると目も当てられません。・・・と、まぁこのような負の連鎖を断ち切ることも我々の大切なミッションだと考えています。人の価値を1つに決めず、バイアスを極力排除し、ひとりひとりの目標実現を共に追求し続けてきた結果がこの教室にはあります。

多様性を理解することは人生を豊かにすること

昨今ではAIの台頭で職を失うといった実しやかな話題が飛び交います。そもそもなぜall or nothing でものを語りたがるのかという疑問はさておき、いずれにせよ私は待望論者です。とことん使い倒してやろうと画策しています。生徒諸君におかれましては、この潮流を先の未来と呑気にしていてはいけません。都立戸山高校の昨年度の推薦入試の集団討論テーマは正にAIについてでした(ご参考:平成29年度都立戸山高校推薦入試集団討論テーマ)。よって、このテーマは今年度も出題される可能性が大いにありますので、最低限の知識と自身の考えを持っておきましょう。塾生の皆さんへは集団討論対策授業にて、お話しますのでお楽しみに。 さて、AIの潮流は教育分野にも訪れることは間違いありませんが、こと教育分野で淘汰されていくのは偏差値偏重の詰め込み型の塾や学校の教師たちからになりそうです。いわゆる優秀な生徒さんへ受験知識を詰め込むだけのやり取りは、非常にシンプルなロジックですからAIとの親和性が高いです。つまり、ひとりひとりに対して異なったアプローチで動機づけやコーチングをすることのできない教育現場や教育者からAIに代わっていくということです。既存知識の吐き出しだけならば、機械の方が既に遥かに正確ですからね。「ここの生徒は全員優秀だから教科書通りのことだけをやる。他のことをやると受験に必要ではないとクレームが来る。○○○○○よ。」とは、都立トップ校のとある先生の言葉です。多少謙遜まじりの言葉であったとはいえ、詰め込み型の塾のやり方と代わり映えしないなと感じたことを覚えています。古くから我々は、単調なことを「機械的」と言い換えて使用してきました。対義語である多様なことを「人間味がある」とも言い換えてきました。AIが普及しようとも何も難しいことはありませんし、恐れることもありません。先人の言葉が答えを教えてくれているのですから。多様性を認めること=人間味のある生き方をしていくことで、人生はきっと豊かになります。そのための勉強を一緒にやっていきましょう。 追伸 上記に関連して、IT&教育研究者の間ではAI時代を生き抜く4つスキルを提唱しています。これはまた別の機会にご紹介したいと思います。 谷戸校(田無、ひばりが丘)より

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